ダクタイルキャスターの特長


FCD(球状黒鉛鋳鉄)顕微鏡組織

FCD素材の優れた素材特性

どこまでも逞しく、しなやかに

FCD(ダクタイル鋳鉄)素材&特許製法から、圧倒的タフネスを誇るキャスターが生まれます。東北車輛のダクタイルキャスターは、普通鋳鉄では得られなかった耐久性を実現しました。

  • 瞬間衝撃

    FCの10倍

  • 耐荷重

    FCの3倍以上

  • 耐摩耗性

    鋼の6倍

  • 抗折力

    FCの3倍以上

  • 抗張力

    FCD450

  • 伸び

    20〜24%

ダクタイルキャスターの材質と性質

  • 性能を「見る」

    FCDの性能を語るのは「月面クレーター」組織

    ダクタイルキャスターの素材はダクタイル鋳鉄。正式には球状黒鉛鋳鉄といい、FCDの材質記号で表します。一方、普通鋳鉄はネズミ鋳鉄ともいわれ材質記号はFCとなります。両者を顕微鏡組織で比較すると、名前の通りFCがネズミの尾のような片状なのに対し、FCDは月面のクレーターのような球状となっています。

  • 性能を「聞く」

    球状化率の高さは「風鈴の音」が教えてくれる

    FCDに変化させる化学処理により、球状化率は変化します。ダクタイルキャスターには 90%前後の高い球状化率を誇る、完全無比のダクタイルを使用しています。ダクタイルの打撃音は球状化率が高いほど金属音を増すため、ダクタイルキャスターを叩いてみると「チリン・キ〜ン」と、どこか風鈴の音にも似た余韻を残します。

  • 性能を「触る」

    しなやかなボディが耐衝撃性の高さを証明する

    ダクタイルキャスターの金具を横にして手ハンマーによる打撃試験を行なうと、かなりの反発弾性により跳ね返されるのがわかります。これはダクタイル特有の伸びの大きさに起因するもので、ダクタイルキャスターは20〜24%の伸びをもっています。叩くとボコッと鈍い音をたてるFC製金具に比べ、はるかにしなやかな、折損しにくいボディをダクタイルキャスターは備えています。

ダクタイルキャスターの材質特性

  • 耐摩耗性

    黒鉛組織をもつ鋳鉄は耐摩耗性に優れています。さらにダクタイルキャスターが採用するFCD450は、パーライトの割合が多いため、より高い耐摩耗性を発揮します。

  • 耐蝕性

    地下に埋設する水道管のほとんどがダクタイル製であることからも分るように、鋼やFCに対し、ダクタイルは、きわめて優れた耐蝕性を備えています。

  • 耐熱性

    ダクタイルキャスターは焼鈍処理を行なっていません。しかし、ダクタイルはより一層の伸びを求める場合、焼鈍処理を行ないます。耐熱性にも優れています。

  • 耐震性

    鋳鉄の黒鉛組織は振動のエネルギーを吸収する性能が大きく、これを減衰能といいます。自動車部品、ベットなどに鋳鉄が多用されるのもこの性質ゆえです。

ダクタイルキャスターの試験データ

元素分析表

試験品名
150BR
材質
FCD45
成分(%)
C Si Mn P S Cr
3.80 2.81 0.34 0.0022 0.0012 0.011

引張り試験

試験品名
TP.101号
材質
FCD
直径 標点距離 荷重 強さ 伸び
mm mm kg kg/mm² %
3.80 2.81 0.34 0.0022 0.0012

圧縮試験

下表は、アムスラー試験機を使用した圧縮試験結果の数値となります。

試験品名
150BR(FCD)
荷重 たわみ 状態
kg mm  
8.000 2.5 -
10.000 3.3 使用可能
13.050 - 破壊
2.000 5.8 -
2.700 8.5 -
3.000 - 破壊
試験品名
150K(FCD)
荷重 たわみ 状態
kg mm  
10.000 2.9 -
15.000 3.8 使用可能
16.150 4.5 ひび割れ
2.000 4.6 -
2.800 8.8 -
3.200 - 破壊

アムスラー試験機による圧縮試験

アムスラー試験機後の金具(FCD)

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